2010/07/06

 「花を愛でて純に暮らす」10数年前に特注の陶器の瓶入り焼酎を頼んだ時に書いた言葉です。花は長女、二女が純。名前が先か、文章が先か?といえばやはり名前。二人が生まれてきてから今まで二人の名前にいつも「初心忘るべからず」ができているかどうかを問われるのでやはりいい名前だなと感じます。


 「花」を愛でる豊かな心を持ち続けているか?周囲がどうとか、誰がどうだとか言って他者の責任に逃れて「純」に生きることをあきらめてないか?と二人の娘の名前を呼ぶたびに我が身を照らすようなものです。幸い二人とも豊かな感受性で生きていますが世の中はなかなかこの二人にはしんどいところです。


 最近月刊文芸春秋で井上ひさしさんの絶筆ノートを読みました。最後まで「純」に生き続けた人でした。がんと薬に壊されとんでもない身体になっていっても花を愛でる美しい心と笑いを忘れない方のようでした。数年前、行動作家の代表的存在だった小田実さんが亡くなる直前に「次代の子供たちに申し訳ない」と涙を流して語っているのをNHKで見ました。こんな世の中のまま子供たちに手渡すことへの責任感が純粋な心から語られていることが表情からダイレクトに伝わってきました。


 小田さんと言えば大男で非常に逞しい精神をお持ちの方と著書を読んでても映像で拝見しても感じていましたが、ちょっと猫背で大きな背中には大きな悲しみが宿っていたのでしょう。井上さんも小田さんも粘り強く逞しく柔軟な男の闘いを体現されてきた方と感じます。小田さんの最期は詳しく知りませんが井上さんの最期は本当に壮絶な、まさに死闘だったのではないかと奥様の手記で感じました。



八百万人紀行(やおよろず・ひときこう) http://www.yaoyorozu-hito.jp/ 住民ディレクターNews http://blog.goo.ne.jp/0811prism いだき http://www.idaki.co.jp/

0 件のコメント:

コメントを投稿