2010/01/02

「ゼロの焦点」に合わせるプロセス

松本清張「ゼロの焦点」の映画を見ました。本を読んだのは学生時代だったのでストーリーもすっかり忘れていて最後まで楽しめました。昭和32年が舞台でしたのでわたしがまだ4歳の時の話ということになります。町の光景や電車、工場の中など時代の記憶を辿りながら見ました。

「砂の器」もそうでしたが人が生きることはすでに何らかの過去を引きずっているという時代で、一人の人間を追えばそれで十分ドラマになる時代でもあったと感じます。もちろん毎日忙しく暮らし、テレビが唯一の娯楽のような時代に入りつつあったときですからごく普通の庶民にとっては犯罪など全く関係ない世界だったでしょうが。
工場を切り盛りしている社長、その妻、手が荒れた受付嬢、無口で陰のある男・・・、と登場人物は戦争という大きな渦の中でかき回され、仕方なく暗く重い過去を背負っているというメッセージがあったのでしょう。そして誰しもが新しく出直したい、ゼロにリセットしたい、との気持ちを持ち続けていて実現しようとするとそこに悲劇が・・。

社会派といわれた松本清張さんの世界に登場する人物はある種全員がゼロの焦点を探りながら生きている人間だったような・・・、かく言うわたしはこういう方々からするとごくごく普通の庶民ではありますが庶民ながらにやはりゼロの焦点はずっと探し求めてきたところです。Now&Hereはまさにゼロの焦点、そのど真ん中を表現していくブログになっていければと考えています。



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